臨床検査のピットフォール
コアグラーゼ試験の基本とピットフォール
二本柳 伸
1
1北里大学病院危機管理部感染管理室
pp.786-789
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207269
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はじめに
コアグラーゼは,Staphylococcus属を同定するうえで最も重要な性状(特徴づけ)の1つであることから,コアグラーゼ試験の鑑別価値は高いといえる.同定とは,“いままでに名を付けられた菌種と同じであると判定すること”であり,特徴づけできる性状の相似性によって行われる.コアグラーゼ試験はS. aureusがガチョウやヒト,ウマ,ヒツジのプラズマ(血漿)を凝固させたという現象から発展してきた1,2).Gratia3)はこの活性因子をスタフィロコアグラーゼと呼称したが,スタフィロコアグラーゼには少なくとも2種類の物質,遊離型コアグラーゼと結合型コアグラーゼ(クランピング因子)が関与している.
本稿では,日常検査で使用されているコアグラーゼ試験の基本とピットフォールに対する注意すべきポイントを解説する.
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