臨床医からの質問に答える
治療薬が臨床検査値に影響を及ぼすケースの代表的なものを教えてください.
長井 宏文
1
,
三浦 雅一
2
1金沢医科大学病院薬剤部
2北陸大学薬学部生命薬学講座
pp.868-871
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206929
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はじめに
超高齢社会を迎え,日常的に医療用医薬品(以下,医薬品)を処方される患者は増加している.一方で,これら医薬品のなかには,臨床検査値に影響を与えるものも少なくない.該当する医薬品に関しては,医薬品の添付文書上で,“使用上の注意”として“臨床検査結果に及ぼす影響”の項が設定されており,この項は異常値が病気の影響か,もしくは医薬品の影響かを判断するための重要な情報となる.医薬品を使用することによって臨床検査値が見かけ上変動し,明らかに器質障害または機能障害と結びつかない場合に限り“臨床検査結果に及ぼす影響”の項に情報が記載され,“副作用”の項とは明確に区別される1).
本稿では,医薬品の添付文書に“臨床検査結果に及ぼす影響”について記載のある医薬品を中心に,生化学検査および尿検査に対して影響を及ぼす代表的なケースを解説する.
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