今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
I 不妊の検査・診断 A排卵因子
【甲状腺機能検査】
8.甲状腺機能検査に影響を及ぼす因子,検査を行うに当たっての注意点について教えてください.
熊澤 由紀代
1
,
福田 淳
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部附属病院産婦人科
pp.348-349
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101997
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[1]はじめに
甲状腺は,ヒト頸部前面に存在する重要な内分泌器官であり,甲状腺ホルモンを合成・分泌している.甲状腺ホルモンは,全身の諸臓器に作用し,個体の発育,成長,蛋白・糖代謝の調節など,さまざまな生理作用を有し,恒常性の維持をつかさどっている.
甲状腺機能異常は性成熟期の女性に発症頻度が高く,男性の4~5倍の頻度と報告されている1).甲状腺ホルモンと生殖機能に関しては月経異常や不妊症が挙げられ,卵巣機能と密接なかかわりを有している.不妊症のスクリーニング検査として,甲状腺機能検査は必要な検査項目の1つである.
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