連載 人の心に寄り添う医療人になる・17
心を静める,相手を導く・3
藤平 信一
1
,
山藤 賢
2
1心身統一合氣道会
2昭和医療技術専門学校
pp.638-644
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206873
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無意識を理解する
山藤:この連載は「人の心に寄り添う医療人になる」というテーマなんですが,これまでに対談をしてきた方々とは皆,結局どう生きてきたかという,自分自身を掘り下げる話をたくさん突き詰めてきました.もしかしたらタイトルの印象からは「あれっ」と思った読者の方もいらっしゃるかと思いますが,僕は心身統一合氣道で学ぶ中でも,寄り添うという前提にはまず自分である,他者を思うという前提にはまず自分である,この自分というところをまず学ぶ,その結果,「人の心に寄り添う」ことになると感じています.先生,その辺りどうですか?
藤平:「人の心がわからない」という人は,自分の心の状態もわかっていないことが多いですね.形のあるものばかりに目がいき,形のないものを忘れています.自分の心を大事にできない人は,人の心を大事にすることはできません.それは決して「自分のことだけを大事にする」という意味ではなくて,「自分の心に向き合う」ことであり,「自分の心の状態を正しく知る」ということなのです.
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