連載 人の心に寄り添う医療人になる・16
心を静める,相手を導く・2
藤平 信一
1
,
山藤 賢
2
1心身統一合氣道会
2昭和医療技術専門学校
pp.566-575
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206853
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自立に向けて
山藤:先生,人を動かす,人に寄り添うというのはこの心身統一合氣道の中でも僕が感じるテーマと要素でありますが,ぜひ指導や教育についてのお話もうかがってみたいと思います.僕もそうですが,先生も教育者という一面があります.医療の現場においても,技術の継承や人材の育成というのは大きなテーマの一つとなります.僕自身は,この連載の中でも何度か述べてきていますが,学生や職員と向き合いながら,いつも「自立」と「自律」について考えています.
僕は,学ぶ姿勢の最初の土台として,自分を律する「自律」を通して自分の足で立つ「自立」を,学生のうちに,大人としてできるようになってもらいたいという思いで学生教育を行っています.昨今は「自由」という言葉がもてはやされ,子どもにもそれを当てはめすぎて,自由ではなく「放縦」になってしまっている節があると思っています.特に人の命を預かるような医療の現場では,規律あっての自由ということが,とても大事になります.先日,先生とこの心身統一合氣道会の会報誌で対談させていただいた際にも,先生とはそのような話で共感させていただいた部分がたくさんありました.この対談は「検査と技術」誌の4月号から3回の掲載なので,新人職員の方向けに,また指導者に向けても,先生がご指導されている心身統一合氣道での自立についての捉え方,また先生が思われる教育について教えてください.
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