技術講座 生理
機能的残気量・肺拡散能力検査—測定方法と結果の解釈
大久保 輝男
1
1埼玉県立循環器・呼吸器病センター検査技術部
pp.760-768
発行日 2016年9月1日
Published Date 2016/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206564
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Point
●機能的残気量(FRC)測定では安静呼気位は非常に変動しやすいので,患者をなるべくリラックスさせ,自然な安定した安静呼吸をさせる必要がある.患者には呼吸に意識を集中させないで,何か考え事でもしてもらうようにすると,自然な安静呼吸ができることが多い.
●FRC測定中はリークを起こさないよう,患者の口元に注意する.またヘリウム(He)の濃度−時間曲線から漏れが生じていないか,注意深く確認する.
●肺拡散能力は多くの因子により影響を受ける.影響を与える因子には体位,心拍数,吸入気酸素分圧(PIo2),喫煙,ヘモグロビン(Hb)濃度,測定間隔,吸気量,吸気時間,呼吸停止時間(BHT),呼吸停止時の胸腔内圧,呼気時間などがある.これら多くの事項に注意を払い,検査する.
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