連載 忘れられない症例から学ぶ超音波検査・6
悪性心臓腫瘍
小山 寿子
1
1大崎病院東京ハートセンター
pp.140-145
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206344
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はじめに
筆者は,東京の品川区にある,2005年12月に開院した心臓病専門病院に勤務しています.当院の規模は大きくはありませんが,24時間救急対応で手術も行っています.地域の患者もみえますが,それほど多くはなく,関東一円および全国各地から来られる患者のほうが多く,海外から治療に来る患者もいます.
今回の症例は,他院で心臓腫瘍を指摘され,セカンドオピニオンで来院された患者です.他院で悪性腫瘍を疑われていましたが,細胞の採取が困難で,診断は不可能の状態でした.組織型の診断がついていないため,化学療法もできないまま,余命3カ月と宣告を受けていました.このまま死を待つよりも,たとえほんのわずかな可能性しかなくても,その可能性に賭けたいとの願いから,当院を受診されました.
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