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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
5章 成熟B細胞腫瘍
12 形質細胞白血病(PCL)
Plasma cell leukemia(PCL)
髙橋 千春
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.992-993
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206187
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形質細胞白血病(plasma cell leukemia:PCL)は形質細胞腫瘍の一病型であり,末梢血中の形質細胞>2,000/μL,かつ,形質細胞比率≧20%以上と定義される9).多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)に比べて進行が速く,予後不良である.
PCLは発症時からPCLの病像を示す原発性PCLと,MMの経過中に白血化した二次性PCLとに分類される.原発性PCLが60〜70%を占め8),二次性PCLは,MM患者の2〜4%で合併する.原発性PCL患者の平均発症年齢は52〜65歳で,二次性PCLやMM患者よりも10歳程度若い.
貧血,腎不全,溶骨性病変などMMと同様の症状もみられるが,PCLではリンパ節腫大や臓器腫大などの髄外浸潤が高頻度にみられる.また,染色体異常も高率に認める.予後は非常に不良であり,原発性PCLの生存期間中央値は6.8〜12.6カ月,PCLと診断された患者の約3割は診断後1カ月以内の死亡と報告されている13).
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