ワンポイントアドバイス
病理検査におけるDNA鑑定を応用したコンタミネーション同定法
高田 雄三
1
1帝京科学大学医療科学部
pp.630-635
発行日 2015年7月1日
Published Date 2015/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205978
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はじめに
検査目的で人から採取した血液や組織などの検体は,その形態のみでは誰のものであるか識別できない.そのため,間接的に容器に名前やIDを記載することで,検体が誰のものであるかを特定している.一般的な検査情報は,病気の診断には有用であるが,個人を特定するための情報は有していない.何らかの原因によって,検体が誰のものであるかわからなくなった場合には,検査情報から個人を特定することは困難である.一方,個人を構成する細胞は全て同じDNA情報をもっているが,たとえ血のつながった家族であっても,おのおので異なるDNA情報(DNA型)を有している.そのため,異なる由来の組織や細胞同士がコンタミネーションを起こした場合,検査情報からおのおのを識別できないが,DNA型であれば識別が可能となる.すなわち,DNA鑑定によってコンタミネーションの同定が可能であるといえる.
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