教科書には書いていない採血のコツ・1【新連載】
翼状針の斜め持ち
杤尾 人司
1
1神戸市立医療センター中央市民病院臨床検査技術部
pp.305
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205880
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翼状針を用いた採血は,痛みなどの不快感が少なく,不成功の確率が低いといわれている1,2).翼状針は通常,端を重ね合わせた二枚の翼を垂直に立て親指と人さし指でつまんで持つように設計されている(通常法:仮称“掌かぶせ持ち”).しかし,この持ち方で採血すると,血管を穿刺したことを示す重要なサインである逆血が両指の影となってリアルタイムに見えない.指を外して初めて逆血がないことに気付き,あわてて針を引き戻し,再度方向を変えて穿刺したり,あるいは逆血はあるが採血管に吸引できず,刺し過ぎたと考えながら少し針を引き戻すなど,あたふたとしてしまう.
表題の,“翼状針の斜め持ち3)”とは,針先刃面は上に向けたまま二枚の翼の端をずらし,少し横に倒した状態で持つ方法をいう.翼状針を横から持つため,針先からチューブまで全体が見渡せ,血管を正確に穿刺したことを知らせる逆血がリアルタイムにモニターできる.
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