今月の主題 感染症—最近の話題
細菌感染症—原因菌の変遷
アシネトバクター感染症
清水 喜八郎
1,2
,
奥住 捷子
2
1筑波大感染内科
2東大中央検査部
pp.1160-1161
発行日 1975年7月10日
Published Date 1975/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206111
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Acinetobacterは自然界に広く分布し,水や土の中からしばしば分離される.近年,ヒトの喀痰,尿,血液,膿などから分離例が増加し,その病原性が議論されている.本菌は,Gram(-)の球桿菌で,チトクロームオキシダーゼ(-),硝酸塩還元(-),運動性(-)で,古くは,糖を酸化によって分解するものはHerellea vaginicolaあるいはBacterium anitratum,糖の分解性のないものは.Mima PolymorphaあるいはMoraxella lwoffiと呼ばれていたが,1954年Brisou et PrevotはAcinetobacter属を設け,糖分解菌をAcinetobacter anituratum,また,糖非分解菌をAcinetobacter lwoffiとした.1971年にspeciesはAcinetobacter calcoaceticusのみとなり,この中にAcinetobacter anitratusもAcinetobacter lwoffiも含まれることになった.
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