技術講座 血清
ヴィダール反応
岩田 進
1
1日大板橋病院臨床検査部
pp.143-146
発行日 1983年2月1日
Published Date 1983/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205411
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ヴィダール反応では,1896年Gruberらが患者血清により病原菌が凝集をすることを発見し,Fernad Widalらがチフス患者の血清が,チフス菌を特異的に凝集することを認めてヴィダール反応が確立された.
チフス症およびサルモネラ症の診断に際しては,血液,便,尿などの材料から菌を証明することが第一であり,このことに最大の努力を払わなければならない.菌の検出分離が困難であった場合や,臨床的に疑われる場合に本反応を補助的に行うことになる.しかし血中抗体の上昇には個人差があること,および化学療法の発達で抗体産生が低かったりで,臨床診断の補助となる成績が得にくくなっていることも否めない.したがってヴィダール反応の利用も近年低くなってきている.
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