入門講座 血清
ラテックス凝集反応
松橋 直
1
1東大・血清
pp.743
発行日 1968年10月15日
Published Date 1968/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916498
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溶解性の抗原と抗体が反応しておこる沈降反応を,感度を高め,かつ見やすくするため,増感剤の役割をする赤血球,ベントナイトやポリスチロールなどの粒子を反応系に加えて,凝集反応の形式にするものを間接凝集反応(受身凝集反応)とよんでいる(凝集反応の項参照)。このうち,検査しやすい形になって市販され,いわゆるインスタント検査としてひろく用いられているのは,赤血球,ポリスチロール粒子を増感剤とする反応である。ポリスチロール粒子を緩衝液に浮遊させたものは乳状で,生ゴムであるラテックスに似ているので,現在ではこれをラテックス(Latex)と呼んでしまい,ポリスチロール粒子を増感剤として凝集反応の形式でみる諸反応を,ラテックス凝集反応と呼びならわされるようになってきている。もっとも,抗原と抗体を反応させ沈降反応が起こりつつある状態に,ポリスチロール粒子を入れても,凝集反応が起こるのて,これらの反応を総括して,ラテックス結合反応とよんでいる場合もある。
現在実用になっているものとして,
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