検査法の基礎検討のしかた 微生物検査・1
塗抹染色検査,培養検査
木下 承晧
1
1神戸大学医学部附属病院中央検査部
pp.867-870
発行日 1997年9月1日
Published Date 1997/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903235
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はじめに
微生物検査での染色液や培地の導入には種々の検討を必要とする.これらの評価法については,一部で品質基準法があるが,多くは定まった評価法が確立されていないため,ルーチン検査と同時に並行して行うべきである.しかし,期間が長期になることや検査材料が入手できないことなど,十分に対応できない場合が多い.そのため,一部は基準菌株や保存菌株に負うところが多くなる.保存菌株は変異の可能性が高いため,典型的な特徴を維持した菌株を用いるべきである.検討には製造者の成績および文献を参考にしたうえで,実用性,安定性,信頼性のほか,品質管理および精度管理を加味して行う.
基準菌株:個々の分類群の代表で,表現型,性状など命名者により詳細に記述された永久保存菌名をいう.菌株の分与は公的な菌株保存機関で誰にでも行える.保存機関にはAmerican Type Culture Collection(ATCC),National Collection of Type Cultures(NCTC),理化学研究所内系統保存施設(Japan Collection of Microorganisms;JCM)などがある.
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