感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論
[2]染色法
4)抗酸染色
藤木 明子
1
1(財)結核予防会結核研究所細菌血清科
pp.693-695
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205013
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
■染色の原理
抗酸菌染色は,一度染められた菌体は酸やアルコールによっても脱色されにくいという特性を利用したものである.この性質は菌体成分のミコール酸に関係1)しているといわれている.代表的な染色法には,チールーネールゼン(Ziehl-Neelsen)法と蛍光法がある.
チールーネールゼン法は,石炭酸を媒染剤として加えたフクシン液を加温により,よく菌体に浸み込ませて染めた後,酸アルコールで脱色処理して抗酸菌のみを分別し,メチレン青液で背景を染める,というものである.蛍光法は石炭酸フクシン液の代わりに蛍光色素のオーラミンで染め,紫外線を照射して二次蛍光を検出するものである.いずれの方法も主にMycobacteriumの検出に用いられるが,NocardiaやCorynebacteriumも弱いながら抗酸性を示す.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.