技術講座 微生物
抗酸菌の染色
尾崎 京子
1
1新潟大学医学部附属病院検査部
pp.19-25
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903687
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新しい知見
近年,世界的に結核の流行が危惧されている中で,わが国でも新規結核患者数の減少傾向の鈍化,院内感染,多剤耐性菌による感染など,新たな問題が指摘されている1).米国CDC(Centers for Disease Control)では1993年に結核菌検査実施基準に対して3つの勧告を行い,うち1つは“検体採取後24時間以内に抗酸菌塗抹検査の結果を報告する”というものである2).厚生省は1995年,結核の活動性分類を結核菌検査結果により感染危険性を重視したものへと改正している3).世界的な結核対策の中で塗抹検査の位置づけは大きい.
抗酸菌染色はチール・ネルゼン法と蛍光法が普及しているが,最近,加温を要しない簡便なキニヨン法も用いられている.
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