復習のページ
抗酸菌染色
久保 勢津子
1
1高根病院検査部
pp.658-660
発行日 2004年7月1日
Published Date 2004/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100677
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はじめに
抗酸菌染色には,一般的に広く実施されているチール-ネールゼン法(Ziehl-Neelsen method)やキニヨン法(Kinyoun method),蛍光法があります.塩基性フクシンで赤色に染色される菌は抗酸菌と呼ばれ,Mycobacterium,Nocardia,Rhodococcusなどが含まれます.なかでもMycobacterium tuberculosis(結核菌)は肺結核などを引き起こし臨床上重要で,喀痰の抗酸菌染色でそれらしいと判明したとたん,排菌中ということで他の人への感染の危険性から,また入院中であれば院内感染を起こすと大騒ぎとなることも珍しいことではないのです.それだけに簡単,迅速なこの検査は検査室にとっても大変有益な検査と考えられています.
しかし,教科書や先輩から習ったとおりに実施しても,検査材料の多様な品質,その検査にかかわるいろいろな要素から検査診断に誤った結果を与えていることもあるようです.検査に慣れたらもう一度「自己流の変法」になっていないか再確認してください.ここでは代表的なチール-ネールゼン染色を日常行っていて遭遇した出来事を紹介します.
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