感染症の検査法 Ⅲ 検査法各論
[1]感染症の鑑別診断—他疾患との鑑別のための臨床検査について
猪狩 淳
1
1琉球大学医学部保健学科臨床病理学教室
pp.684-688
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205009
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はじめに
感染症診断の第一歩は感染症であるかどうかを見分けることである.それには,患者の生活歴,既往歴,発熱時の状態を詳しく,的確に問診し,把握することが基本であることはいうまでもない.そして感染症を疑う場合,感染症でしばしば認められる所見,症状があるかどうかを見極めることがたいせつである.
感染症の場合にみられる一般的症状は発熱,全身倦怠感,時に体重減少,発疹,その他いろいろとあるが,いずれも感染症に特有なものではない.しかし,感染症の主要症状の第一に挙げられているのが発熱であるので,以下,発熱患者の場合を例にとって,それが感染症によるものか,感染症以外の疾患あるいは病態によるものかを鑑別するために必要な臨床検査について解説してみよう.
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