技術講座 生理
心電図の読みかた1—心室肥大
谷川 直
1
1日本大学医学部附属板橋病院循環機能検査室
pp.375-380
発行日 1989年4月1日
Published Date 1989/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204922
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サマリー
心電図の読みかたの基本は,QRS波のパターンの認識である.心電図の読みかたについて3回に分けて本欄で解説を行うが,第1回には心室肥大を,第2回は心筋梗塞を取り上げる.前者はQRS波の高電位差の読みかたが中心であり,後者は心筋梗塞の結果生ずる心筋の起電力の欠如が重要な所見である.一方,第3回に予定した不整脈は,リズムの異常であるから,P波とQRS波の関係がもっとも重要であり,またP波やQRS波の形の変化についても知らなければならない.
心電図による心室肥大の診断は,臨床的にはもっともポピュラーなものである.典型的といわれる心電図所見は,その病態を的確に教えてくれる場合が多い.しかし定義を緩やかにすると偽陽性例が多くなり,その判断には慎重でなければならない.
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