心電図講座 小児心電図の判読・2
心室肥大
大国 真彦
1
1日大小児科
pp.1039-1043
発行日 1973年8月10日
Published Date 1973/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204864
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小児心電図における心室肥大の判定
小児心電図の心室肥大の判定は難しいといわれる.これは乳幼児では,生理的に右室優勢を示すこと,および小児では一般に成人よりも高電位差を示すことによる.そのために,小児心電図における心室肥大判定には成人と異なった基準を要するので,小児循環器研究会において筆者を委員長とする委員会が結成され,1971年に表のような心室肥大判定基準が発表された.この基準の特徴は,判定基準を確徴と疑徴に分けたことであり,これは実際には,正常者と心室肥大者の心電図にかなりのoverlapがある二とによる.もちろん,この確徴をもってしてもなお多少の偽陽性例があることは避けられないが,乳児の右室肥大確徴の3)V1のVAT≧0.03秒が1%を多少こえる以外は,大部分は0.5%以下の偽陽性率を示している.なお,この判定基準を簡単化してチェックリストとしたものも用いられるようになっている.
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