Japanese
English
講座 心電図シリーズ(1)
心室肥大心電図の基礎と臨床
Ventricular Hypertrophy—electrocardiographic criteria and electrophysiologic mechanisms.
森 博愛
1
,
大下 賢竜
2
,
日高 義之
2
Hiroyoshi Mori
1
,
Kenryu Ohshita
2
,
Yoshiyuki Hidaka
2
1九州大学医学部中央診療部,心臓血管研究所
2九州大学医学部第1内科学教室
1Central Diagnostic Division and Research Institute for Cardiovascular Disease, School of Medicine, Kyushu University.
2The 1st Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Kyushu University.
pp.25-32
発行日 1965年1月15日
Published Date 1965/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201400
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はしがき
臨床心電図学において心室肥大の診断は今日きわめて重要な問題である。心室肥大は元来形態学的概念であるから,その診断には形態学的観察を主としたレントゲン法が有利なように思われる。しかしながら日常臨床において,X線的に左第4弓の膨隆を認めた場合,これを左室肥大あるいは拡張によるか,または単に心臓軸の回転によるかを区別しえないことも多い。通常の背腹位撮影においては,右室は中央陰影の右穹隆の形成に加わらず,著明な右室肥大があっても,X線的に診断を下すことが困難な場合が多い1)。
循環器疾患に対する治療法の進歩により,従来は単に診断的興味にとどまっていた先天性心畸型および後天性心弁膜症の多くのものが外科的手術の適応となり,心臓血管系に重篤な非可逆的な変化をきたす以前に,適切な処置を行なうことが臨床家の責務となった。
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.