病気のはなし
AIDS—病理学を中心として
板倉 英世
1
1長崎大学熱帯医学研究所病理学部門
pp.208-213
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204424
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サマリー
Acquired immune deficiency syndrome(AIDS)は,レトロウイルスの一つであるHuman immunodeficiency virus(HIV)によって引き起こされる症候群である.HIVがヒトのT4リンパ球に侵入してその機能を失わせ,そして破壊してしまうために,免疫系そのものの機能が不全に陥る.そして免疫能が落ちて無防備となった身体に便乗的にウイルス,細菌,原虫,真菌(カビ)などが侵入して日和見感染症を起こし,一方ではリンパ節の腫瘍である悪性リンパ腫や皮膚や内臓の軟部組織腫瘍であるカポシ肉腫が発生してくるのである.
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