検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
輸血副作用の発現機序
川越 裕也
1
1国立大阪病院
pp.1265-1270
発行日 1987年11月1日
Published Date 1987/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204314
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輸血副作用の発生要因は表1のように,技術的な誤りと事務上または管理上の誤りに大別される.致命的な輸血の副作用の頻度は表2のように患者の取り違えがもっとも高く,次いで検査室内での輸血液,検体などの取り違えが多く,検査技術による誤りは,それらの2割以下にすぎない.その他,患者の異常体質あるいは免疫学的異常によるアナフィラキシー,多種抗体,遅発反応,呼吸不全症候群が目だっている.これらの発生要因によって生ずる輸血副作用は,表3のように多くの種類の反応として現れる2).なぜそのような症状が生ずるかについて紹介する.
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