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トランスジエニックマウスの医学への応用
浅野 雅秀
1
,
岩倉 洋一郎
1
1東大医科研ウイルス感染
pp.1230
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204305
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トランスジェニックマウスとは,人為的手段によって外来性遺伝子を導入されたマウスのことをいう1,2).人為的に遺伝子を導入する方法としては,導入したい遺伝子を組み込んだウイルスベクターをマウス胚に感染させる方法や,DNAを直接受精卵の核に微量注入する方法3)があるが,現在は後者が一般的である.
微量注入法によるトランスジェニックマウスの作製方法4)は簡単に述べると次のようになる.交配後約12時間の受精卵を採取し,その雄性前核にマイクロマニュピレーターを用いてDNA溶液を約1pl注入する.そして,その受精卵を偽妊娠させた代理母マウスの輸卵管へ戻すと,19日後にはトランスジェニックマウスが生まれてくる.この方法では,生まれてきたマウスのうち10〜20%が,注入されたDNAを染色体DNAの中に組み込んでいる.DNAが組み込まれる位置は任意であるが,通常,全身のすべての細胞染色体の同じ位置に組み込みが認められ,安定に子孫に遺伝する.したがって一度目的の動物が得られると,利用価値はきわめて大きい.
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