病院の新しい職種
トランスクライバー
菅谷 和代
1
1聖路加国際病院放射線科
pp.60
発行日 1975年6月1日
Published Date 1975/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205643
- 有料閲覧
- 文献概要
トランスクライバーとは
"transcribe"は,「転写する,他の字に書き換える」と訳されている.聖路加国際病院では,口述録音されているテープを聞きながら,タイプして報告書を作成する.すなわち,音として収あられている文字を,目で読める文字に換えているわけである.放射線科では,外来各科あるいは各病棟からの撮影依頼で,頭から足の先まで,あらゆる部分の単純撮影,また胃腸造影,気管支造影,頭部・胸・腹部・四肢などの血管造影をはじめとする種々の特殊検査のX線写真がとられている.できあがった写真は,すべて放射線科の専門医が読影し,その所見を口述録音機(dictating machine)を使い,テープに録音する.後刻,そのテープをイヤホーンを通して聞きながらタイプするのである.
口述録音機は,一般にみられるテープレコーダと異なり,ハンドマイクに設けられたスイッチにより,録音・停止および聞き戻し再生が,きわめて容易にできる構造になっている.またタイプするさいは,足踏みスイッチを接続することにより,テープの再生および聞き戻しが自由にできるようにもなっている.わからない個所がある時は,繰返し聞きなおせる.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.