臨床生理検査と技術 Ⅶ 呼吸機能検査
[2]呼吸機能測定装置の構造と原理
[H]COメーターと拡散能の測定装置
大久保 隆男
1
1横浜市立大学医学部第一内科
pp.603-605
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204118
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.COメーター
CO濃度はガスクロマトグラフで求めることができるが,一般にCOメーターという場合には赤外線分析器(infrared analyser)を意味する.
図12にCOメーターの構造を示す.低濃度のCOガス(0.3%以下)を含む試料を比較的大きなchamber Aに導入して満たし,バルブを閉じてガスを封じ込める.対象となるchamber A′には赤外線吸収のないガスを封じ込めてある.それらのchamberの下に接して取り付けてある左右の検出器は測定の対象となる一定濃度のガスで満たしてあり,その間は薄い金属で境されている.光源からAに入射した光は一部chamber A内で吸収され,その残りが検出器に入り,残りの光が吸収される.一方,A′のchamberを通過した光は全部が検出器に入り,通過光が吸収される.左右の検出器内の温度は光の吸収度合いに比例して上昇し,ガスが膨張する.その結果,両側の検出器を境する金属薄膜が左右の圧差が偏位するので,金属膜をコンデンサーとして,その容量の変化を電気的に検出する.光の吸収は対数的なので,較正には2種類の較正ガスが必要である.あるいは,電気的リニアライザーを用いて,その上で一点較正を行う.CO以外にCO2も赤外線を吸収するので,試料をCOメーターに導入する前に炭酸ガスと水分を除去する必要がある.別にCO2濃度を熱伝導型ガス分析器(Heメーター)を用いて測定しておき,COメーターで求めたCO濃度を補正する.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.