技術講座 細菌
A群レンサ球菌の培養と迅速診断法
大国 寿士
1
,
留目 優子
1
1日本医科大学微生物学免疫学
pp.345-350
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204043
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A群レンサ球菌(以下,A群菌)の感染によって咽頭炎や扁桃炎などの急性上気道炎,気管支炎などの下気道炎,皮膚化膿症,さらには敗血症などが起こり,また本菌の産生する発赤毒により猩紅熱が,あるいは免疫学的機序を介して急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの二次的疾患が惹起される.それゆえ本菌は臨床細菌学のうえで重要な位置を占め,これら疾患の治療ならびに予防のために,この菌の正確な同定が要求される.
A群菌は図1(A,B)に示したように12),細胞壁はM,TないしはR蛋白,C-多糖体,リポタイコ酸,ペプチドグリカンなどにより構成される.分離直後あるいは培養初期の菌では,しばしば細胞壁外側に莢膜を認める.
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