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高度先進医療—水中衝撃波による尿路結石破砕法
田崎 寛
1
1慶大泌尿器科
pp.274-275
発行日 1987年3月1日
Published Date 1987/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204029
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衝撃波(shock wave)による尿路結石の治療は,すでに1967年に,Shallが体内に置かれた電極から電気水圧衝撃波を発生させ結石表面の反射波エネルギーを利用できることを発見したことに始まる.Chaussyらはこの原理を発展させ,浴槽内に電極を置いて水中で高電圧をスパークさせ衝撃波を半楕円体反射鏡で体内の結石に集中させる,体外衝撃波砕石法(extracorporeal shock wave lithotripsy;ESWLと略す)の原理を確立した(図).
尿路結石のうち特に腎結石は開腹手術以外に治療法がなかったが,ESWLの発明は血を見ることのない治療(非観血的治療)で,しかも苦痛を最小限にできる治療(無侵襲治療)であり,この病気に対する概念を一変させるようなでき事であった.数ある高度先進医療の中でも治療法を一挙に変えるようなものはあまり見当たらないが,この発明が具体的に医療機器として西ドイツのドルニエ社から発売になり,米国や日本での臨床治療が進んでみると,さらに新たな衝撃が起こってきた.
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