検査ファイル 用語
RAMとROM
清水 芳雄
1
1東北大学医学部第一内科
pp.180-181
発行日 1987年2月1日
Published Date 1987/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203998
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私たちは日常生活の中で,脳に記憶されている過去の経験を基に理解し,判断し,行動している.コンピュータもまったく同様で,記憶されている命令やデータを基に計算や判断などを行っている.
最近のコンピュータは賢くなって,ユーザが電源をONにすると「あなたはこれからどんな仕事をしようとするのですか」と聞いてさえくる.15年前のコンピュータはこうはいかなかった.電源ON後に,ユーザーがキーボードからコンピュータを動作状態にするための命令を,機械語という形で入力する操作を必要とした.今日,それが自動化されたのは,人間が手で打ち込んでいた命令をコンピュータにあらかじめ記憶させておき,電源ONと同時にその命令の実行をスタートさせるからである.電源がOFFになっても,機械的振動が加わっても,コンピュータが暴走しても,絶対に消されることのない記憶素子が存在するようになって,初めてこうしたことが可能となった.これがROM(read only memory)といわれる記憶素子である.
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