技術講座 生化学
アルブミンの定量法
芝 紀代子
1
,
村上 恵美子
2
1東京医科歯科大学検査部
2東京医科歯科大学病院検査部
pp.1345-1349
発行日 1986年12月1日
Published Date 1986/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203928
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
直接的な定量法の変遷
アルブミンだけを特異的に定量することができるようになったのは,1953年Brackenらがメチルオレンジを用いた色素結合法を報告したことに始まる.色素結合法は,溶液のpH変化がなくても蛋白によりpH指示薬の色調が変化する.すなわち,蛋白誤差を利用してアルブミンを測定する方法である.
メチルオレンジに始まり,以後アゾ色素のHABCA(ハブカまたはハバ),フタレイン型色素のフェノールレッド,BCG(ブロムクレゾールグリーン),BCP(ブロムクレゾールパープル)を用いる方法が相次いで報告された(表1).このうちDoumas1)らの報告したBCG改良法(1971)が急速な勢いで普及し,今日でもDoumasらの方法に基づく測定が大半を占めている.しかしながら,アルブミンに特異性が高いと評価されているBCGも実は急性相反応物質とも反応することが指摘され,より特異性が高いBCP法を採用すべきという議論もわき起こり,BCG法で定着した観があったアルブミン定量法も再び物議をかもしだしている.
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.