技術講座 細菌
Campylobacterの分離と同定
佐久 一枝
1
1東京都立墨東病院検査科
pp.1350-1354
発行日 1986年12月1日
Published Date 1986/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203929
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かつてCampylobacterはその形態がVibrioに似ているところからVibrioに属し,特に獣医学の方面でヒツジ,ウシの感染性流産や下痢症の原因菌として重要視されていた.
1963年SebaldとVeronによってVibrio(V. )coli,V. jejuni,V. sputorum,V. bubulusが新たな属のCampylobacterに移された.ヒトの感染症としては菌血症や髄膜炎の報告があったが,1977年Skirrowによって新しい疾患としてCampylobacter腸炎が紹介されるや,各国で下痢症の原因菌として注目を集めることとなった.Campylobacterを分離するためBatzlerら(1973)は選択的濾過法を考えたが,Skirrow(1977)は抗生物質を加えた選択培地を開発した.このため菌の分離は容易になった.
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