コーヒーブレイク
居眠り
K.M.
pp.759
発行日 1986年6月1日
Published Date 1986/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203754
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四季の移ろいを感じるのは何といっても味覚だと思うが,最近はハウス栽培の規模がどんどん大きくなって,野菜だけでなく,果樹をまるごとビニールハウスで囲って促成栽培をし,季節はずれに珍しい果物が供給されるようになった.そのため自然の四季の感覚が狂ってしまう.ただ,これらのハウス物は見た目は大きく立派でも,味や特に香りが薄いようだ.
食べ物と共に季節感を演出するのが衣(服装—ファッション)であるが,これも往時のような"衣替え"がはっきりしなくなり,ひとより先に季節を先取りするつもりか,肌寒さを我慢して冬物を脱ぎすてたり,秋口に満員の電車の中で暑さをこらえながら厚い上着を着込んだりしている人を見かける.今年の冬は東京でも記録的な大雪に見舞われたが,その雪の日に麻のヒラヒラのスカートにパンプスで歩いている女性を何人も(!)見かけた.こうなると粋なおしゃれどころか滑稽で常識を疑いたくなる.
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