形態学的検査と技術 血液と病理
病理
【14】細胞診での特殊染色
[A]細胞の鑑別
藤原 登美子
1
1秋田大学医学部附属病院中央検査部
pp.637-642
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203720
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はじめに
細胞診で細胞を観察するためには,検体の採取,塗抹,固定,染色という過程を経なければならない.鏡検に当たっては,そのすべての過程が適正に取り扱われた良い標本により,初めて細胞鑑別が可能となる.
一般に特殊染色は,細胞の分化に伴う機能および代謝状態をより的確に判定するための手段として用いられる.したがって特殊染色を行う前に一般染色で十分な形態把握を行い,どのような特殊染色を行うべきかを決定しなければならない.同時に特殊染色の必要が予想される症例では,塗抹未染標本(乾燥および湿固定の2種類)をできるだけ多く作製しておくべきである.すべての採取標本を湿固定,一般染色に付してしまうことは厳に慎まねばならない.
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