形態学的検査と技術 血液と病理
血液
[4]造血能と免疫学的検査
[C]細胞性免疫に関する検査
3)フローサイトメトリーによる分類
神保 聖一
1
1東京クリニカルラボラトリー
pp.496-500
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203680
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近年,細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体(以下,MoAbと略す)が数多く開発される中で,フローサイトメーター(flow cytometer:以下,FCMと略す)との組み合わせによりリンパ球などの解析を行うフローサイトメトリー(flow cytometry)が,従来の研究領域のみにとどまらず,広く日常検査に導入されるようになってきた.
フローサイトメトリーとは,細胞を浮遊液の状態にし,高速で流体中を通過させる際,各細胞から得られる光学的・電気的信号を検出部で感知することにより,その生物学的特徴を識別する手法である.FCMとはそのために開発された装置の総称であり,従来は細胞を解析後,その中から目的とする細胞群を取り出すセルソーターとしての機能が注目されていた1〜3).そのため,初期の頃の機種は,装置自体の操作が複雑であり,また末梢血中のリンパ球を解析するような場合,あらかじめ試料として単核球を回収し調製する必要があるなど,日常検査に導入するには簡便性といった点で問題があった.
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