検査ファイル 機器
フローサイトメトリー
阿部 雅明
1
,
木根渕 猛
2
1順天堂大学医学部第二病理学教室
2東京免疫薬理研究所
pp.454-455
発行日 1988年5月1日
Published Date 1988/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204496
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フローサイトメトリー(flow cytometry;FCM)とは,蛍光物質を特異的につけた細胞(粒子)に光を当て,それから得られる情報をコンピューターで解析する光学精密機器で,自動血球分析機の数世代進歩したものであり,今世紀最高の細胞解析機といっても過言ではないだろう.細胞を機能的に"見る"場合,従来の顕微分光測光法(MSP)などでは,細胞個々の性状を解析するには,あまりにも時間がかかり過ぎる.しかし現在のFCMにおいては,驚くべきことに1秒間に5000個以上もの細胞(粒子)を瞬時に解析し,さらに必要とする細胞集団を分取する能力がある.
光源にレーザー(1aser)を用いたFCMの歴史は,1969年に米国政府の多額の資金援助のもとにNIHが,スタンフォード大学のHerzenbergのグループとカリフォルニア大学Los-Alamos研究所のVan Dillaのグループとに新型のFCM開発を依頼したことにより始まり,現在われわれが用いている,まったく新しい発想の原理によるFCMが生まれた.
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