増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル
第VIII章 新しい技術
3.フローサイトメトリー
佐々木 功典
1
1山口大学医学部第2病理
pp.350-351
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903549
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フローサイトメトリー(fiow cytometry;FCM)はリンパ球の表面マーカーの解析に,すでに臨床検査室においても広く普及しており,技術自体は今さら“新しい技術”とはいえない状況にある.フローサイトメーター自体の改良により機能は着実に向上しているし,標本試料調製技術も進歩しており,以前よりはるかにFCMを利用しやすくなっている.自動化が進み,器械自体の調整がほとんど不要となり,コンピュータのキイボードの操作だけで誰でも取り扱えるようになっていることは大きな進歩である.しかしながら,器械の点からいえば,斬新かつ革新的な技術を導入した機器の開発はなされてはいない.一方,抗体などの試薬の開発は進み,測定可能となった項目が著しく増加している.そのなかで注目されるものが2点ある.1つは,最近になって(1997年)試薬が市販され,細胞1つ1つの酵素活性(酵素の量ではない)を測定することができるflow cytoenzymologyの技術であり,もう1つは細胞内サイトカイン測定システムであろう.ここでは,これらの2点に絞って紹介する.
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