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NK細胞とLGL
1.機能・形態
Natural killer(NK)細胞とは,キラーT細胞とは異なり,抗原による感作なしで種々の標的細胞を傷害することのできるリンパ球であり,腫瘍の発生や転移の抑制,ウイルス感染細胞の破壊などの働きをしているものと考えられている1).もともと試験管内で細胞傷害活性を見る検査法で機能的に存在が推定された細胞で,後になって形態学的にLarge granular lymphocyte(LGL)に相当することがわかった.LGLは図1に示すように中型〜大型の胞体の豊かな,胞体にアズール顆粒を有するリンパ球である.LGLのうち少なくとも70%の細胞はNK活性を有し,逆にNK活性を有する細胞はすべてLGLの形態を有している.LGLは末梢血中のリンパ球の約15%を占める.
NK細胞による細胞傷害活性を測定する方法について述べる.エフェクター細胞としては,ヘパリン加末梢血からFicoll-Conray法により分離した単核細胞(リンパ球と単球が含まれる)のような,LGLを含む細胞を用いる.標的細胞としては放射性クロム(Na251CrO4)で標識したNK感受性培養細胞株を用いる.慢性骨髄性白血病患者の急性転化時の芽球から樹立されたK562という細胞株が最もよい.一定数のエフェクター細胞と標的細胞を混合し,37℃で4〜6時間培養した後,上清中に放出された51Cr量を測定することにより間接的に傷害標的細胞の割合を算定する2).
LGLを末梢血から分離するための方法としては,Percol1を用いた不連続密度勾配遠心法と,モノクローナル抗体を用いる方法がある.Percoll液を用いる方法を記す2).
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