検査ファイル 試薬
T細胞に対するモノクローナル抗体
飛内 賢正
1
,
下山 正徳
2
1国立がんセンター病院臨床検査部
2国立がんセンター病院薬物療法部
pp.368-369
発行日 1988年4月1日
Published Date 1988/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204470
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細胞融合法によるマウスモノクローナル抗体(MoAb)作製法の導入は,多くの研究分野に飛躍的な進展をもたらした.中でも,血球,とりわけT細胞に対するMoAbの作製は当初からもっとも精力的に研究された分野の一つである.血液細胞の分化抗原に対して作製されたMoAbがきわめて多数に上ったため,系統的な整理を目的として1982年パリ,1984年ボストン,1986年オクスフォードと計3回の国際ワークショップが開催され,反応する抗原分子に従ったCD分類が提唱された1〜3).表1に代表的な抗T細胞MoAbのCD番号,反応する抗原の分子量,反応する標的細胞およびレセプターについて示す.これらは細胞性免疫の解析や白血病,リンパ腫の表面マーカーの検索に有用である.
現在,細胞性免疫の解析を目的として行われている主な測定法は,末梢血単核球を用いた蛍光抗体法である.われわれは,第二抗体としてFITC標識抗マウスIg抗体を用いた間接蛍光抗体法を行い,フローサイトメトリーで分析を行っている4).また,CD 4+T細胞をさらに機能的サブセットに分けるCDw29と2H4の利用には二重染色が必要である.
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