検査を築いた人びと
—脳腫瘍の診断に脳動脈撮影を取り入れた—エガス・モーニス
深瀬 泰旦
1
1東京慈恵会医科大学医史学
pp.1020
発行日 1985年12月1日
Published Date 1985/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203515
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1949年モーニスは,ノーベル生理学・医学賞を受賞した.その受賞理由は,残念ながらこれから話題にしようとする脳血管撮影の業績ではなく,もう一つの大きな業績である「精神病に対する前頭葉ロボトミーによる治療」に基づくものである.
エガス・モーニスは1874年11月29日に,ポルトガルのアヴァンサに生まれた.本名はアントニオ・デ・アブレー・フリーレというが,12世紀のムーア人に対するポルトガルのレジスタンスの英雄エガス・モーニスにちなんで,彼の祖父が洗礼に際して名づけた.のち政治問題に関心をもった学生として,これをペンネームに用い,今では本名よりも有名になってしまった.
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