検査を築いた人びと
脳室撮影をあみだした ウォルター・ダンディ
深瀬 泰旦
1
1東京慈恵会医科大学医史学
pp.798
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203437
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レントゲンによるX線の発見に始まる画像診断の進歩と多様化は,とどまるところを知らず,ついにコンピュータ断層撮影法や核磁気共鳴CTを生み出すまでに至った.このような進歩によって,いまではほとんど利用されることが少なくなってしまった検査法に,脳室撮影法,あるいは気体脳室撮影法がある.
CT-スキャンの誕生までは,脳室をはっきりと肉眼で確認できる検査法として,これは大いに利用されたものである.腰椎穿刺によって髄液を排出し,これと同量の空気を注入して髄液と置き替えてゆき,これを何回か繰り返して脳室内に空気を注入するという手技で,頭部のX線写真をとることによって,透過度の増加した脳室の形態を写真上に出現させることができる.空気の代わりに造影剤を注入することもあるが,空気を用いることの方が多かった.
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