読者からの手紙
経橈骨動脈経由脳血管撮影
筑井 恵美子
1
,
前田 佳一郎
1
,
豊田 富勝
1
1諏訪中央病院脳神経外科
pp.952
発行日 1999年10月10日
Published Date 1999/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901797
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近年脳ドックの普及に伴い未破裂脳動脈瘤,無症候性脳主斡動脈狭窄の発見頻度は増加傾向にある.脳MRAの解像度が良くなってきているとはいえ,病変の正確な評価に経動脈的脳血管撮影は依然として必要とされている.従来の大腿動脈芽刺によるセルジンガー法では検査後ベッド上安静を強いられるため,検査のみのためにも入院を要すこと,臥床による腰痛や排尿障害の訴えが多いことが問題となる.この点の改善のため本誌で肘部上腕動脈よりセルジンガー法を行う方法が紹介されていたが(東保肇,他:脳外18:161-166,1990),これを経橈骨動脈経由に行う方がいくつかの点でさらに優れていると考えられたので紹介する.
施行前にAllen testを行い手掌への側副血行が十分であることを念のため確認した.右橈骨動脈に手関節近位部でシースを挿入,セルジンガー法に準じて4Fカテーテルを上行大動脈内に挿入し,その後の操作によりカテーテル先端を目的血管に挿入しDSAによる脳血管撮影を行った.検査後シースを抜去し,用手的圧迫はなしに動脈穿刺部を径3cmの球状の消毒液に浸したガーゼで圧迫して弾性テープで固定した.
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