技術講座 細菌
培養検査法6—糞便
山﨑 悦子
1
1東京都立駒込病院臨床検査科
pp.825-830
発行日 1985年9月1日
Published Date 1985/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203443
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
ヒトの腸管病原体は寄生虫からウイルスまで多種にわたるが,今回の「糞便の培養法」では腸管系感染症の起因細菌の検査法について述べる.
周知のように健康成人の大便は1g当たり,嫌気性菌群106〜1012,腸内細菌104〜1010,レンサ球菌104〜1012個など,多種の細菌で構成されている.したがって,検査室では糞便中に存在する細菌を盲目的に探索することは困難であるばかりでなく,無意味である.そこで本稿では法定伝染病(腸管系)と1982(昭和57)年3月11日に厚生省環境衛生局食品衛生課が新たに食品衛生法に基づく食中毒菌として加えた菌種,さらに抗生物質投与後に起こる下痢症の起因菌であるClostridium difficileなどを含めて述べる.
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.