技術講座 病理
PAS反応とその変法
勝山 努
1
,
山上 修
2
,
林 茂子
2
,
井口 恵美
2
1信州大学中央検査部
2信州大学病院中央検査部
pp.529-534
発行日 1985年6月1日
Published Date 1985/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203368
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糖質を過ヨウ素酸で酸化し,生じたアルデヒド基をシッフ反応(Schiff reaction)で検出するPAS反応は,1946年から1947年にかけてHotchkiss, McManus, Lillieらによって開発された.その特異性の高さ,鋭敏な反応性,さらに定量性などから,粘液組織化学のみならず組織細胞化学の歴史における記念碑的な染色法とされており,その価値は現在においても失われていない.
最近ではPAS反応における酸化条件に検討を加え,シアル酸やグリコサミノグリカン(以下,GAG)の検出に利用しようとする動きがみられる.また,アゾ結合(azo coupling)の応用によって感度を高めようとするLillieらの試みもある.ここでは,PAS反応とその変法について,新しい動向を中心に紹介したい.
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