コーヒーブレイク
在来線の旅
M. K.
pp.32
発行日 1985年1月1日
Published Date 1985/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203237
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先日,法事があって久しぶりに母方の田舎へ東北本線を利用して出かけた.時刻表を調べて驚いたことに,日中の特急列車が1本もない.途中まで東北本線経由で秋田や山形などへ行く特急はあるが,東北本線のみの特急列車は寝台専用車のみである.利用できる急行列車も午前,午後それぞれ2本あるだけでほとんど選択の余地がない.さらに列車によっては座席指定もグリーン車もなく,あらためて新幹線運行後の在来線の縮小ぶりに驚かされた.
母を伴っての旅であったので,座席の確保ができないことに心細さを覚えたが,心配したほどの混雑もなく,窓を開けて駅弁を買える旧式の列車で,窓外に広がる刈入れの済んだ田んぼや,色づいた柿やりんごを眺めながら,のんびりした4時間半の旅を楽しんだ.
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