エトランゼ
カンパン
常田 正
pp.15
発行日 1985年1月1日
Published Date 1985/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203232
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米国イリノイ州のある大学に留学した日本人の理科の先生の話.化学の講義中にプロフェサーの口からしきりに「カンパン」という話が飛び出してくるので,「はて,食べる乾パンのことか,それとも写真の乾板のことか」などと悩んでいた.「それにしても英語の講義に乾パンはおかしい」と思い,隣席のアメリカ人学生の脇腹をつっついて,「カンパンとは何ぞや?」と小声で尋ねた.アメリカ人学生がやや軽蔑的な眼差しをしながら紙片に答えを書いてくれた."Compound"それを見て先生,思わずつぶやいた.「なんだ!コンパウンドか.」(警告:日本の検査室や実験室で使われている片カナ英語は,もはや英語ではなく日本語であることをお忘れなく).
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