アーチファクト
病理組織
前田 明
1
1東邦大学医学部病理学教室
pp.835
発行日 1983年9月1日
Published Date 1983/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202856
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写真1 肺 パラフィンブロック H・E×20
クロロホルムなど沸点の低い仲介剤から組織をパラフィン槽に移したとき,しばしば気泡の発生を認める.これは高温による仲介剤の気化膨張によるものであろう.写真は含気性臓器である肺の非脱気標本であるが,菲薄な肺胞壁は気泡の膨張融合のため異常な拡張,断裂が起こり,一見肺気腫と混同しやすい.気泡の辺縁ではさらに薄切時切片の折れ曲りも生じやすい.これらは陰圧にして脱気することで容易に防ぐことができる.
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