望まれる臨床検査技師像
交流の中からの検査データのフィードバック
稲田 義信
1
1東邦大学病院中央検査部
pp.1053
発行日 1982年12月1日
Published Date 1982/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202642
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朝,目覚めて"さあ,今日も一日頑張るぞ"という意気込みで職場に臨めることが,どんなに素晴しいか,私は臨床検査技師になって二年数か月.新しい職場に期待と不安を抱いて,出勤しはじめた一年目を思い起こしてみると,検査技師として,一日でも早く仕事を覚えるよう努めたことはもちろんでしたが,私がまず第一に心掛けたことは,検査室という組織の中における人間関係を,検査技師である前に,一個の人間としてどのようにしたらスムーズに行えるか,ということでした.
学生時代には,好き嫌いですまされていた人との付き合い方が,検査室という一種の社会生活においては,許されません.今まではある程度,自分一人で行動できたものが,職場という個々の人間の集合体の中では,不協和音となって浮き上がってしまう,といったケースが多々あります.このようなとき,どのように対処したらよいのか,確かに自分自身が何事においても消極的な人間であれば,そのような問題は表面立っては生じないのかもしれません.しかし"人間は感情の動物"とよく言われるように,問題となるのはむしろ,人間の内面である心,感情であると思います.
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