マスターしよう基本操作
医学写真の撮り方—剖検及び手術材料
渡辺 信
1
,
浦野 順文
1
1神戸大学医学部第一病理学教室
pp.897-904
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202384
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医学写真の撮り方にはその目的によって多少の違いがある.記録用,学会用,論文用などがあるが,ここではそれぞれの目的に合った写真の撮り方を紹介する.今回は,剖検材料と手術材料を被写体にした場合について説明する.いうまでもないことだが,被写体のポイントが分かっていなければ良い写真は撮れない.
近年,コピー機の普及により胃などの手術材料はコピーで記録するほうが早いし,また扱いやすい点も多くあるが,出来具合いはコピーよりはやはり写真のほうが勝る.記録用の写真としては,材料の番号が必要であり,また顕微鏡所見と肉眼所見を対比するという意味からも,ポイントを押えた写真と同時に,全体像の分かる写真も必要となる.臓器によっては,固定により病変が分かりにくくなるもの,逆に分かりやすくなるものがあるので,出来れば固定前と後との2同写真を撮ることが望ましい.特に固定後の写真は,新しい割面を撮ると鮮明な写真が得られる.
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