技術講座 生理
超音波による僧帽弁機能検査
鈴木 政登
1
,
鈴木 恒夫
2
1東京慈恵医科大学臨床検査医学
2東京慈恵医科大学付属病院中央検査部
pp.331-338
発行日 1981年4月1日
Published Date 1981/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202252
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心臓の超音波診断の歴史は浅く,超音波透過法を利用した心臓の定量測定の試みが,1950年にKeidel1)らによってなされたのが初めである.1954年にEdlerら2)が超音波反射法の利用により,僧帽弁狭窄症の患者の僧帽弁反射エコーが特徴的な波形を呈することを発表して以来,超音波による心臓機能検査が爆発的に普及した.超音波を使った心臓機能検査は僧帽弁エコーを中心として発展してきたと言っても過言ではなく,その普及の理由として,次のようなことが挙げられよう.
(1)心臓弁膜のうち僧帽弁が最も容易に記録できる.(2)僧帽弁は左心系房室間に位置し,左房・左室間の圧関係を鋭敏に反映する.(3)僧帽弁のエコーパターンにより左心機能の評価ができる.(4)僧帽弁エコーパターンの異常から,種々の僧帽弁膜症の診断に有益な情報が容易に得られる.
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