検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
比色法の理論
松村 義寛
1
1女子栄養大学保健栄養学科
pp.888-892
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202158
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呈色の強さが着色物質の濃度の関数であることを利用した比色定量法の初期には,標準比色管の系列と被検液の色とを並べて比較する方法が行われたが,標準比色液の液層の厚さを任意に変化させることにより所望の色の濃さを作り,被検液の呈色とを一視野中に相接して比較できるようにした装置(ジュボスクの比色計)が考案せられた.いずれにしても色調の比較は肉眼により行われるもので,主観により結果が左右せられるので,誤差が大きいうえに,測定に長時間を要するものであった.
分光光電光度計の開発により比色分析法は,簡易迅速で施行せられるうえにはなはだ精確であるため,広く採用せられ,特に試料の微量化に有力であったために,臨床化学分析においても主流を占めるに至った.
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